「・・・吾輩は“くま”である。名前はくまモン・・・どこで生まれたかは・・・熊本である・・・ムニャムニャ・・・」
「あれ?くまモン!それ僕の本じゃない!くまモンにはまだ難しいよ!何が“吾輩はくまである”だよ!」
「バカにしないでほしいモン!ボクだって分かるモン!猫さんの話だモン!ちょっとボクに置き換えてみただけだモン!」
皆さんもうお分かりですよね。くまモンが勝手に読んでいたお兄さんの本は、「吾輩は猫である」です。
日本文学を代表する名作ですから、読まれたことがある方も多いと思います。作者は言わずと知れた文豪「夏目漱石」ですね!
「そうだ!くまモン。せっかくだから夏目漱石の足跡を辿ってみない?実は、東京の新宿に「漱石ゆかりの場所」があるんだよ」
「ちょっと勉強してみるかモン!」
「実は、今回新宿区の区長さんが事前に色々教えてくれるんだって」
「ほんとかモン!区長さん久しぶりだモン!」
「前にお仕事でご一緒させていただいたモンね!」
「くまモン!今回色々教えてくれる新宿区の区長さんだよ!」
「区長さん!『吾輩はくま』だモン!今日はよろしくまお願いしますモン☆」
「すみません、区長さん・・・さっきちょっと覚えたんで・・・許してやってください(汗)」
中山弘子新宿区長は、元は東京都の職員として、労働行政をふりだしに、子ども・女性行政、消費行政、東京港埋立地の水辺と緑の回復事業、清掃事業、人事委員会、監査等に携わってこられた方です。
2002年の区長選挙で東京23区初の女性区長として当選され、現在3期目でいらっしゃいます。
くまモンとは、以前に熊本県のイベントに来ていただいた時や、新宿区のイベントにお呼ばれした時からのお顔見知り。
新宿区平和都市宣言について教えていただいたあと、仲良く手をつないで庁舎を案内していただきました(^o^)
「区長さん、新宿にある『漱石ゆかりの場所』について教えてほしいモン」
(以下、中山区長さんから分かりやすく、説明いただいた内容です。)
「新宿区は、夏目漱石が生まれ育ち、その生涯を閉じたまちです。
晩年の9年間を過ごした早稲田南町の家では、作家として本格的な執筆活動を開始し、数々の名作を世に送り出しました。
この家は「漱石山房」と呼ばれ、週に一度、漱石を慕う弟子たちが集った木曜会が開催された場所としても知られています。」
「現在、新宿区では、平成29年の 漱石生誕150周年に向けて、(仮称)「漱石山房」記念館を整備する取組みを進めています。
夏目漱石終焉の地に記念館を整備することにより、「土地の記憶」を可視化し、未来に継承していくとともに、この記念館を夏目漱石に関する情報発信の拠点、情報収集・研究の拠点、まち歩きや歴史発見型新宿フィールドミュージアムの拠点として整備を進めていきます。」
「記念館には、書斎・客間、ベランダ式回廊を中心とした「漱石山房」の一部を再現するほか、展示室、収蔵庫、図書閲覧室など文学館としての基本的な機能を備えます。
さらに、誰もが気軽に利用できるオープンな記念館とするため、喫茶コーナーやエントランスホールなどの交流スペースについても重視していきます。」
「区長さん、たくさん教えてくれて本当にサンくま☆」
中山区長、お忙しいところ、本当にありがとうございました。
「漱石公園にやって来たモン!」
区長さんの説明を聞いた2人は、さっそく新宿区の「漱石公園」に行ってきました!
「・・・・・漱石さん!『吾輩はくまである』・・・だモン☆」
「ばっ!やると思ったよ・・・くまモン・・・」
漱石公園には、新宿区にある漱石ゆかりのスポットを記した案内図がありました。
こうしたスポットを当時に思いを馳せながら、散策してみるのもいいですよね。
右の写真は、夏目漱石のマネをするくまモンです・・・
さて、読者の皆さんは、「夏目漱石」のことをどれくらいご存じですか?
根っからの漱石ファンの方もいれば、学校の授業で「こころ」を読んだだけって方もいらっしゃると思います。
しかし、その「漱石がくまもととゆかりがある」ということを知らない方は多いのではないでしょうか?
夏目漱石は、ここ新宿で生まれ育ちました。漱石の少年時代を一言で言うなら「不遇の少年時代」。
家庭的に恵まれず、生活も大変苦しかったようです。
その後、成長した漱石は帝国大学へ入学。卒業後は、愛媛県の中学校や、熊本の旧制第五高等学校(現熊本大学)などの
英語教師を勤めました 。
このくまもと滞在時代の名残りが今でもくまもとに残っていて、漱石とくまもとのつながりを感じることができます。
こちらが現在、熊本大学にある五高記念館。ここで夏目漱石が教鞭をとったんですね。
ここは、熊本市にある「夏目漱石内坪井旧居」。
漱石は4年3カ月の熊本滞在期間中に何と6回も転居しました!
そのうち、5番目に移り住んだのがこの家で、最も長い1年8カ月を暮らしました。
あの偉大な文豪が実は「引越し魔」だったなんて意外な一面を聞くと、とたんに親近感がわきますね!
さて、こちらは新宿区の「漱石公園」にある「漱石山房風ベランダ回廊」。
「ちょっと瞑想だモン!漱石さんに思いを馳せるんだモン!」
「くまモン・・・一休みしてないよね?」
現在は、漱石が亡くなるまで過ごした「漱石山房」の外観が再現されています。
新しく整備される日が今から楽しみですね!
新宿区では、(仮称)「漱石山房」記念館の整備を行うにあたり、漱石ゆかりの地をはじめとする全国の皆さまからご支援・ご協力をいただく仕組みとして、夏目漱石記念施設整備基金を設置されるそうです。
基金の募集開始は、平成25年7月1日とのこと。
基金にご協力いただくと、所得税の控除や、いわゆる「ふるさと納税制度」の活用による住民税の控除が受けられるそうです。
また、ご寄附いただいた方には、金額に応じて記念館の銘鈑に記名するなどの特典を予定されています。
基金に関する情報は、順次、新宿区公式HP等で発信していくそうですので、皆さんぜひご覧いただければと思います。
「猫塚」の前で手を合わせるくまモン。
この猫塚、漱石の没後、遺族が家で飼っていた犬、猫、小鳥の供養のために建てたものです。
「道草庵だモン!」
こちらは漱石の関連資料やパネルを展示している「道草庵」。
漱石の生涯を分かりやすく記した年表があります。
「漱石さんの著書がいっぱいだモン☆」
中に設置してある俳句投函コーナーを目ざとく見つけたくまモン。一休みして俳句をしたためているよう・・・
「ところでくまモン、何て書いたの?」
「『ばんぺいゆ からしれんこん くるまえび』だモン!なかなかのモンかモン?」
「くまモン、ただ好物を並べただけじゃない・・・・」
続いて二人が向かったのは、「夏目坂通り」。
漱石の生家がこの坂の途上にあったことからこの名がついているそう。
生誕100年を記念して建てられた石碑です。
「夏目坂だモン☆」
この辺りの名主であった漱石の父が、自分の姓を名付けて呼んでいたものが人々に広まり、やがてこう呼ばれ地図にものるようになったと言われています。
ちなみに、この周辺には漱石ゆかりのスポットがたくさんあります。
漱石の散歩道を散策し、当時の漱石の思いの一端に触れてみるのもお薦めですよ!
「『漱石公園』を『くまもとサプライズin東京・第12号』に認定だモン!」
「そしてまた近いうちに、『東京の中のくまもと』紹介するモン☆」
それでは、第12回「くまもとサプライズin東京」はこのへんでおしまいに。
♪はい、おしまい!あとぜき!♪
新宿区指定史跡「漱石公園」
URL: http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file15_03_00010.html
所在地: 東京都新宿区早稲田南町7
利用時間: 4~9月 午前8時~午後7時
10~3月 午前8時~午後5時